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目次
ハーマンモデル理論と効き脳
P.2 | 人間には「利き手」と同じく『効き脳』が存在する |
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P.2 | 「効き脳」がコミュニケーションを左右する |
P.3 | 「効き脳」は優劣ではなく特徴(特性)としてとらえる |
P.4 | 脳科学の進歩と発展 ~ 代表的な二つの脳研究 ~ |
P.5 | 「右脳・左脳モデル」+「三位一体型脳モデル」= 「ハーマンモデル」 |
効き脳とコミュニケーション
P.10 | コミュニケーションの難易度は「効き脳」の組み合わせで決まる |
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P.10 | 同一関係は敢えて異なる視点を取り込もう |
P.11 | 共存関係/対照関係は「ちょっとした違い」を好意的に受け止めよう |
P.11 | 対角関係は、目的は同じでも目標や手段は違うことを許容しよう |
「効き脳診断BRAIN」結果シートの見方
P.12 | 診断結果の見方 |
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今日からできる「3つのステップ」
P.16 | 《STEP1》 苦手な象限を“意識化”し言いたいことをうまく伝える |
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P.17 | 《STEP2》 “許容範囲” を広げ、ウマの合わない相手からのストレスを減らす |
P.18 | 《STEP3》 相手のタイプに合わせて、コミュニケーション・スタイルを変える |
P.19 | 部下とのコミュニケーション対処法 |
P.20 | 上司とのコミュニケーション留意点 |
P.21 | ショップスタッフとのコミュニケーション対処法 |
効き脳を組織力向上に活かす
P.22 | 異質なメンバーの中で、チームと共に成長する |
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P.23 | 「メンバープロフィール・シート」を活用する |
P.23 | 「簡易組織診断」を使い、チームの傾向を知る |
P.24 | 効き脳で会議の席順を決める |
P.25 | クリエイティブ・プロセスを活用する |
ハーマンモデル理論と効き脳
人間には「利き手」と同じく「効き脳」が存在する
あなたの「利き手(腕)」は左右のどちらですか?
人間には「利き手(腕)」や「利き眼」があるように、私たちの脳にも、思考特性の違いによる「効き脳(利き脳)」があります。いわば、脳が“無意識に反応”する思考のクセです。
この思考特性(効き脳)は大きく4つのタイプに分類されます。自分の思考特性にあった活動であれば、人は苦痛を感じることなく、高いモチベーションで、長時間集中できます。つまり、仕事や勉強に身が入り、成果を上げやすくなります。反対に、自分の思考特性に合っていない行動は、苦手意識が生じるため、やる気も起きにくくなかなか成果は上がりません。
学習スタイルを例にあげれば、通信教育を最後まできちんとやり遂げられる人と、必ず途中で投げ出してしまう人がいます。最後まで続けられるかどうかの分かれ目は、決められた計画に沿ってきちんと物事を進めていくという、通信教育の学習スタイルと自分の思考特性が合っているかどうかなのです。
通信教育という学習スタイルが自分の思考特性と合っていない人が、いくら「根性でやり遂げよう!」と気合いを入れても、やはり無理なものは無理なのです。通信教育が自分の学習スタイルと合わないのであれば、スクールや家庭教師、留学など、自分の思考特性に合った他の学習スタイルを探せばよいのです。
大切なことは、自分の思考特性(効き脳)に合った「無理のないスタイル」を見つけることです。
「効き脳」がコミュニケーションを左右する
そして、この「効き脳」(思考特性)の違いによって、人はそれぞれ理解・納得するポイントが異なります。したがって、私たちの日頃のコミュニケーションの難易度(=相性)は、コミュニケーションをとる相手との「効き脳の組み合わせ」に大きく左右されるのです。
お互いの考えていることが語らずとも分かる「ツーカーの仲」の一方で、時間をかけても理解・共感しづらい相手がいるのはこのためです。
逆に言えば、効き脳(思考特性)の特徴を理解できれば、なぜ相性が悪いのか、どうすればより効果的なコミュニケーションが図れるかが分かります。相手を“許せる”ようになりますし、余計なストレスを溜めずにすむのです。
効き脳を仕事やプライベートに上手く取り入れていきましょう。
「効き脳」は優劣ではなく特徴(特性)としてとらえる
「効き脳」のベースとなっているハーマンモデル理論は、50を超える博士論文でその有効性が確認されています。
欧米を中心にすでに200万人以上の利用実績がありますが、 企業の現場を中心に、主に次のような領域で活用されています。
- コミュニケーションの促進・向上
- チームビルディング
- 採用や適材配置
- 個人のスキルアップやキャリア開発
- 顧客への提案力(営業力)強化
効き脳を活用していく上で重要なポイントが2つあります。
優劣・正誤・良し悪しという評価ではない
効き脳は、あくまでも一人ひとりの思考特性(特徴)を示したものです。
「AタイプがBタイプより優れている」とか、「ABタイプ(二重優勢)の方がAタイプ(単独優勢)よりも能力的に優れている」ということはありません。また、「効き脳診断」の結果に表示されている「指数の合計は全員同じ(200点)」ですから、レーダーチャート(四角形)の形や面積の大小で優劣が示されるということはありません。
やや乱暴な言い方をすれば、人間の血液型に優劣がないのと同じことだととらえてください。
思考特性は、一生変わらないものではない
私たちの脳はトレーニングによって、年齢に関わらずその能力は向上できることが分かっています。
ハーマンモデル理論では「先天3割 、後天7割」と言われており、環境やトレーニングによって効き脳も変化します。だからこそ、なりたい自分や相手との関係に近づくことができるのです。
効き脳診断の結果を深刻に受け止める必要はありません。気軽に、前向きにとらえてください。
出典:『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
脳科学の進歩と発展 ~ 代表的な二つの脳研究 ~
近年、めざましい進歩を遂げた脳科学は、医学や科学の領域を越え、社会や生活と結びつけて語られるようになりました。
ここでは20世紀半ば以降の代表的な研究の中から、ハーマンモデル理論に関連する2つのモデルを紹介します。
右脳・左脳モデル
1960年代、ロジャー・スペリー(Roger Wolcott Sperry、米国の神経心理学者)らによって大脳の2つの機能を明らかにする研究が始められました。そして、次のような研究成果により、1981年、スペリーらはノーベル生理学・医学賞(大脳半球の機能分化に関する研究)を受賞しています。
- 右手を動かしている左脳は論理的、分析的で、順序立ち、理性的な思考の機能があるのに対し、左手を動かしている右脳は広い視野で全体を認識する傾向が強く、瞬間的、直感的、視覚的、合成的、感情的で、表現力が豊かである。
- 左脳は論理的、分析的、数学的な方法によって検証するのに対し、右脳は直感によって解決策を見出す。
- 左脳は物事を異なる要素に分類するのに対し、右脳は物事を全体的に考え、関係や類推、類似するものを探す。
三位一体型脳モデル
1970年代、米国では脳の研究が盛んになり、米国国立衛生研究所(NIH: National Institutes of Health)の主任研究員であるポール・マクリーン(Paul MacLean)が学説「三位一体型脳モデル」を提唱しました。
これは、人間の脳は「脳幹」「辺縁系」「大脳新皮質」の3層が順番に発達し、それら3つの機能を持つ脳が一体となって働くという理論です。
その中で、思考に関する重要な部分は「大脳新皮質」(脳の上層部)と「辺縁系」(大脳新皮質の内側)であるとされています。
出典:『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
「右脳・左脳モデル」+ 「三位一体型脳モデル 」=「ハーマンモデル」
米国のGE社(General Electric)の社員教育責任者であったネッド・ハーマン(Ned Herrmann)は、前ページで紹介したロジャー・スペリーの「右脳・左脳モデル」と、ポール・マクリーンの 「三位一体型脳モデル」の2つの理論を統合し、「ハーマンモデル(ホールブレインモデル)」を構築しました。
つまり、人間の脳は、大脳新皮質の左右と辺縁系の左右の計4つの部位から構成され、それぞれ異なる機能を担っているという理論を打ち立てたのです。
そして、大脳新皮質の左側を「A」、辺縁系の左側を「B」、辺縁系の右側を「C」、大脳新皮質の右側を「D」と名づけ、それぞれに青(A)、緑(B)、赤(C)、黄色(D)の色を割り当て、脳の4象限モデル、すなわち 「ハーマンモデル」を構築したのです。
もともとネッド・ハーマンが脳の機能に興味を持ったのは、 思考の優先度についての好奇心からでした。
コーネル大学在籍中、彼は医学と音楽のまったく異なった両分野において優秀な成績を修め 、GE社に勤務中も絵画と彫刻で才能を発揮しました。こうした背景のもと、ハーマンの脳への興味は、GE社の社員教育責任者としての職業上の興味によってさらに高まりました。
- 「研修会に参加しているマネージャーたちが共通の教育プログラムを受けたにも関わらず正反対の研修効果がでるのはなぜだろうか」
- 「彼ら一人ひとりのキャリアと仕事に即した研修プログラムを開発するにはどうしたら良いだろうか」
このように考え続け、1977年から10年の歳月をかけて、独自の「ハーマンモデル(ホールブレインモデル)」を作り上げていったのです。
出典:『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
各象限(効き脳のタイプ)の特徴
Aタイプ「論理・理性脳」の特徴
では、Aタイプ=「効き脳」がA象限(左脳/大脳新皮質の象限で反応しやすい人)の特徴を紹介します。
「論理・理性脳」のAタイプ
Aタイプを一言で言えば、「論理・理性脳」です。
代表的な特徴は次の2つで、それぞれにプラス面とマイナス面があります。
- 事実の重視と論理的な展開
事実を重視しながら、論理的に物事を進めていきます。さらに数値などの客観的データを正確に捉えようとします。
一方で、批判的な視点が表面に出やすいため、周囲にドライな印象を与えます。また、判断基準が権威的なものに偏るところがあります。 - 高い目標設定とチャレンジ精神
自らのレベルを高めていくことに主眼を置いて、チャレンジ精神を忘れません。
一方で、相手にも高いレベルを求めてしまうため、取っ付きにくい雰囲気を作り、人間関係に無感情で対処するところがあります。
つまり、 論理的で分析的な思考や事実を重視し、裏付けのある確かな結論を求めようとする、それがAタイプなのです。
「財布の中身を把握している」Aタイプ
また、自らを高めるために高い目標を掲げ、その達成に向けてチャレンジするのがこのタイプです。ですから、技術的、数学的、財務的な事柄を好む傾向が見られます。
特徴的な言動としては、
「起伏が少なく淡々と話す」
「数値やデータを欲しがる」
「細かい指摘を入れる」
「仮説を立てる」
「曖昧な表現はしない」
などがあります。
よく使う言葉の例としては、
「採算は」
「効率的な(非効率な)」
「端的に表現すると」
「統計的には」
などがあげられます。
典型的な行動で言えば、「今、自分の財布の中にいくらお金が入っているか」「預金通帳の残高はいくらなのか」 正確に把握できている人は、Aタイプだと言えるでしょう。
歴史上の戦国武将でいえば、「明智光秀」がこのタイプだと言われています。
参考:『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
Bタイプ「堅実・計画脳」の特徴
次に 、Bタイプ=「効き脳」がB象限(左脳/辺縁系の象限で反応しやすい人)の特徴を紹介します。
「堅実・計画脳」のBタイプ
Bタイプを一言で言えば、「堅実・計画脳」です。
代表的な特徴は次の2つですが、それぞれにプラス面とマイナス面があります。
- 詳細な計画とリスクヘッジ
詳細な計画を立てて、予定通りに物事をコントロールしていきます。リスクを避け、より確実な方法でものごとを進めようとします。
一方で、細かく相手を監視し、突発的な変化に対して融通が利かない面があり、自分のやり方を強要してしまうところがあります。 - 最後までやり遂げる持続性
我慢強く根気があります。最後までやり抜く姿勢が強く、周囲から信頼されやすいので、 期待や役割に対して成果を出そうとします。
一方で、 機械的に物事を進め、柔軟な対応ができず泥沼にはまっていく傾向があります。新しいアプローチに抵抗感を持ちやすい面も見られます。
つまり、組織全体の目標達成を目指して自己規制を図りながら、現実的な推進に向けて計画・管理・運営を行っていく、それがBタイプなのです。
「通信教育が続く」Bタイプ
また、実践や手続きを大事にし、組織的で系統だった計画や順序 、プロセスなどを重視するのがこのタイプです。ですから、信頼性、能率、秩序、規律を重んじる傾向があります。
特徴的な言動としては、
「保守的」
「勤勉」
「予定を立てその通りに行動する」
「スケジュールを気にする」
「前例を話す」
などがあります。
よく使う言葉の例としては、
「私たち(我々)は」
「弊社としましては」
「予算は」
「それがルール」
「前例がないので」
「現実的には」
「〇時までにお願いします」
「一般的には」
などがあげられます。
典型的な行動で言えば、通信教育を毎回、最後までやり遂げられる人は、Bタイプだと言えるでしょう。
歴史上の戦国武将でいえば、「徳川家康」がこのタイプだと言われています。
参考:『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
Cタイプ「感覚・友好脳」の特徴
次に、Cタイプ=「効き脳」がC象限(右脳/辺緑系の象限で反応しやすい人)の特徴を紹介します。
「感覚・友好脳」のCタイプ
Cタイプを一言で言えば、「感覚・友好脳」です。
代表的な特徴は次の2つですが、それぞれにプラス面とマイナス面があります。
- 相手に影響する豊かな感情表現
豊かな感情表現によって、相手に影響することを重視するほか、自らの考えを丁寧に表現することができます。
ー方で、冷静さを欠いた判断や言動をとり、自分の考えや姿勢について饒舌になるほか、他者からの評価に影響されやすい側面があります。 - 自分よりもチームワークを重視
自分よりも相手を優先して考え、親しみやすさを与えながら、期待に応えることを優先します。またチームワークを重視し、周囲へのサポート役を担うことができます。
ー方で、相手の言うことを真に受けやすく感情が先行しがちで、感情的な好き嫌いによって判断する面が見られます。
つまり、周囲との協調を保ちながら、人間関係の構築に関わることで、チーム全体の活性化や人間的な成長をめざしていく、それがCタイプなのです。
「自分のことより他人を気遣う」Cタイプ
また、チーム、雰囲気、相手の態度などに対しての感受性が強く、人間関係を重視するのがこのタイプです。ですから、常に相手を気遣おうとする傾向が見られます。
特徴的な言動としては、
「自らコミュニケーションを開始する」
「人の気持ちを察しようとする」
「アイコンタクトをとる」
「相樋が多い」
「友好的」
などがあります。
よく使う言葉の例としては、
「~ですよね(同意)」
「〇〇をお願いしてもいいですか」
「私がやりましょうか?」
「大丈夫ですか」
「かわいそう/大変そう」
などがあげられます。
典型的な行動で言えば、雨が降り出したとき、傘を忘れて濡れる自分よりも、相手(例えば、帰宅途中の子供)が濡れないかを心配してしまう人は、Cタイプだと言えるでしょう。
歴史上の戦国武将でいえば、「豊臣秀吉」がこのタイプだと言われています。
参考:『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
Dタイプ「冒険・創造脳」の特徴
最後に、Dタイプ=「効き脳」がD象限(右脳/大脳新皮質の象限で反応しやすい人)の特徴を紹介します。
「冒険・創造脳」のDタイプ
Dタイプを一言で言えば、「冒険・創造脳」です。
代表的な特徴は次の2つですが、それぞれにプラス面とマイナス面があります。
- リスクを恐れず新たな価値を追求
リスクを恐れず、新しい価値を生み出すことに前向きです。また、同時に多くの成果が得られることを目指します。
ー方で、新しいものに興味や気持ちが移りやすく、目の前の方向性が変わりやすいところがあります。そのため周囲には、一貫性がなくルーズな印象を与えます。 - 直観と創意工夫
知識や経験から物事(対象)の本質をとらえ、常に創意工夫を忘れず、新しいアイディアを生み出すことを楽しむことができます。
一方で、ルールや規則 、決まり事が多すぎると堅苦しさを感じて意欲が落ち、目の前の対処に消極的な態度をみせることがあります。
つまり、自分の直観的判断(直観=知識に基づいて推理を用いず、直接に対象やその本質を捉える認識能力。「本能」や「直感」とは違って今まで生きてきた経験から得られる)を大切にした新しい発想を取り入れながら、総合的な視点に基づいた成果や価値創造を狙う、それがDタイプなのです。
「スマートフォンはいつも最新機種」のDタイプ
また、複数の物事を同時に進行したり、独創的な考え方をしようとするのがこのタイプです。ですから、積極的に冒険やリスクをとろうとする傾向があります。
特徴的な言動としては、
「話題が豊富で次から次へ飛躍する」
「身振り手振りが大きい」
「会話しながら相手以外を見ている」
「たとえ話や新しい物好き」
「時間にルーズ」
などがあります。
よく使う言葉の例としては、
「全体的には」
「最先端の/斬新な~」
「相乗効果は」
「とりあえず」
「例えるなら」
「どーんと/バーンと~(擬音語を使う)」
「臨機応変に」
などがあげられます。
典型的な行動で言えば、新しいスマートフォンが発売されるたびに、次々と機種変更する人は、Dタイプだと言えるでしょう。
歴史上の戦国武将でいえば、「織田信長」がこのタイプだと言われています。
参考:『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
効き脳とコミュニケーション
コミュニケーションの難易度は「効き脳」の組み合わせで決まる
「効き脳」の違いによって、人は理解・納得するポイントが異なります。お互いの考えていることが語らずとも分かる「ツーカーの仲」の一方で、時間をかけても理解・共感しづらい相手がいるのはこのためです。
自分と相手の効き脳の組み合せによって、コミュニケーションの難易度は大きく4段階に分かれます。
まず、もっともコミュニケーションの難易度が低い(=コミュニケーションがとりやすい)のが「同一関係」、つまり同じタイプ同士のコミュニケーションです。
2番目が「共存関係」(AとB、CとD)、3番目が「対照関係」(AとD、BとC)。
そして、もっとも難易度が高い(=コミュニケーションがとりにくい)のが「対角関係」(AとC、BとD)のコミュニケーションです。
同一関係は敢えて異なる視点を取り込もう
「同一関係」、つまり同じタイプ同士でのコミュニケーションは、難易度が低くもっとも容易です。お互いの考えていることが語らずとも分かる、「ツーカーの仲」であるため、楽しくコミュニケーションが図れ、価値観を共有できる関係にあります。初対面で意気投合して飲み屋で盛り上がり、「気がついたら終電に間に合わなかった」というパターンです。
その一方で、まったく別の思考スタイルに切り替わらないため、視野の狭いコミュニケーションや関係性に陥りやすいというマイナス面が見られます。
仕事は、多角的な視点から検討・判断されるべきですが、同じタイプ同士では、偏った、盲目的な判断になり易いことを認識しておく必要があります。
ですから、一緒に仕事をしているメンバーが自分と同じ「効き脳」のタイプの場合には、あえて違う効き脳を持ったメンバーと積極的にコミュニケーションを図り、異なる価値観や視点を取り込む努力が大切になります。
参考:『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
共存関係/対照関係は「ちょっとした違い」を好意的に受け止めよう
「共存関係」(AとB、CとD)とは左脳同士/右脳同士、「対照関係」(AとD、BとC)とは大脳新皮質同士/辺縁系同士のコミュニケーションです。
これらのコミュニケーションの特徴は 、いずれの場合も、お互いが「あっ、違うな」と認識する部分があることです。 具体的には「行動」が違うのが「共存関係」、「考え方」が違うのが「対照関係」です。
「共存関係」(AとB、 CとD)の二人がクレーム対応を行う場合、申し訳ない気持ちやすぐに対応しなければという考え方は同じであっても、応急措置的な対応をとるか根本的な改善措置をとるのか、具体的な行動が変わってくるのです。考え方は同じですから、まだコミュニケーションをとりやすいのですが、その一方で、お互いの考えが分かるからこそ、表面的なコンセンサスで仕事を進めてしまう懸念があります。
「対照関係」(AとD、BとC)の場合は、お互いが相手の考えていることがよく分かりません。しかし、「あいつが言うことなら」と、自分にないものを持った相手に対する理解を深めようという意識が働きます。「よく分からないけれど、信じてついて行こう(ついて行ける)」といったコミュニケーションが成立する関係です。
いずれの場合も「あっ、違うな」とお互いが感じるのですが、この「ちょっとした違い」は効き脳の違いによるものだと好意的に受け止めましょう。 そして、お互いが持っている良い点を伸ばし合うことを意識することで、これまで以上の成果に結びつけましょう。
対角関係は、目的は同じでも目標や手段は違うことを許容しよう
難易度がもっとも高いのは「対角関係」、つまり対角線上同士の組み合わせ(AとC、BとD)です。お互いの優先順位や価値観、仕事を進める際のポイントが違うため、「あの人の言っていることは分からない」と頭から否定したり、距離を置いたりします。
確かに、数字や事実にしか興味を示さないAタイプと、チームワークを大事にするC夕イプではコミュニケーションをとりにくそうですし、決めたことをルールに従って確実に行っていくBタイプからみれば、会うたびに言うことがコロコロ変わるDタイプの言動は受け入れにくいことでしょう。
では、上手く仕事を進めていくためにはどうすればよいでしょう。それは、目の前の行動や考え方は違うけれど、お互いの最終目的は同じであることを確認し合うのです。つまり、最終的にお互いが目指そうとしている目的が同じであれば、そこに向かう道筋や手段、途中の目標は必ずしも同じである必要はないという考え方です。ですから、仕事の具体的なゴールイメージをしっかりと意識合わせしておくことが不可欠になってきます。
実は、「対角関係」の二人は難易度が高い関係にある一方で、もっとも強力な補完関係にあります。つまり、コミュニケーションは図りづらいものの、自分にないものを確実に持っている相手なのです。上手くいけば“最強のコンビ”になれるのです。
「対角関係」は、お互いの最終目的は同じであることを確認した上で、それぞれが進む道筋や手段は違うことを許容する。相手を端から毛嫌いするのではなく、対立を恐れずにコミュニケーションを図りましょう。
参考:『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
「効き脳診断BRAIN」結果シートの見方
診断結果の見方
サンプルをもとに、効き脳診断結果の見方について説明します。
上段(~)には、効き脳の診断結果に基づいた思考特性が表示されています。
下段(~)では、4つの視点から診断を分析しています。
- コミュニケーション難易度、または職種イメージ
- ワークスタイル
- 得意タスク
- ラーニングスタイル
あなたの効き脳
脳の思考特性とその特徴を「可視化・数値化」し、受検者の効き脳をレーダーチャートで表しています。
サンプルでは、C象限の数値が87と高く、右下の面積がもっとも広いことから、この方の効き脳は、感覚・友好脳【C】の単独優勢であることが分かります。
効き脳は、一つとは限りません。二つ、三つの象限が効き脳の場合や、四つの象限が効き脳の場合もあります。一つの場合を「単独優勢」、二つの場合を「二重優勢」、三つの場合を「三重優勢」、そして4つすべての場合を「四重優勢」として表記しています。
また、利き手の無い人がいないように、すべてが低い(効き脳が無い)ということはありません。
診断結果に示されている「指数の合計は一定」ですから、レーダーチャート(四角形)の形や面積の大小で優劣が示されるということもありません。
このレーダーチャートの形には “理想形” があるわけではなく、ご本人の強みや特徴が表れているものです。
「AタイプがBタイプより劣る」とか、「どれか一つが突出したタイプ(単独優勢)よりも、ABCDが均一なタイプ(四重優勢)の方が優れている」ということはありません。
診断結果の総評
ここでは、「1」のレーダーチャートを解説し、この結果に基づいた効き脳についての思考特性を説明しています。
象限の傾向
脳が反応しやすい象限の順番が表されます。
上位の「*」マークがついている象限が効き脳です。
決して「*」マークが多いほうが良いわけではなく、「*」の数で良い/悪い、優劣を判断するものではありません。
「*」マークがない象限は効き脳ではないため、この象限を使って物事を思考すると時間やストレスがかかるといえます。
また、効き脳は、「先天3割、後天7割」と言われ、トレーニングや環境により変化します。業務内容や生活環境の変化で、効き脳ではない象限を使う機会が増えると診断結果も変わってきます。定期的な診断により思考特性の推移を把握することができます。
思考傾向
効き脳を表したレーダーチャートを「上下」で見比べ、大脳新皮質モード(認知的)と辺縁系モード(情動的)の思考の割合が表されています。
大脳新皮質モード:認識的・理知的で、「思考」に根拠を置きます。物事や人について考える場合、一定の距離をおいて理知的に考え、得た情報から仮説を立てるなどの特徴があります。
辺縁系モード:自然に根ざし、感情的で本能的、具体的なアプローチを好みます。感情(本能的な好き嫌い等)や反射作用で物事や人に対応し、現状を守ろうとするなどの特徴があります。
レーダーチャートを「左右」で見比べ、左脳モード(直列処理)と右脳モード(並列処理)の思考の処理方法の傾向が表されています。
左脳モード:物事をひとつひとつ順次処理(直列処理)を行います。異なる事象や差異を認識することが得意です。
右脳モード:物事を同時に処理(並列処理)を行います。類似や同類に瞬間的/直感的に認識することが得意です。
コミュニケーション難易度、または、職種イメージ
この部分は、診断結果の利用目的に応じて表示を選択することが可能です。
社内研修、人材教育・開発、人材配置などにご利用の場合は「コミュニケーション難易度」、人材採用やキャリア開発などにご利用の場合は「職種イメージ」の表示を推奨しています。
コミュニケーション難易度
コミュニケーションの難易度は、自分と相手の効き脳の関係により異なります。相手と自分の思考特性の違いを見極めて、それに応じたコミュニケーションのスタイルをとっていくための考え方を掲載しています。
詳しくは10ページの「効き脳とコミュニケーション」をご覧ください。
職種イメージ
効き脳に適合した要素を含んだ職種の一例をあげています。効き脳を効果的に使う業務が多く、成果を生みやすい職種例として捉えてください。
得意タスク
仕事を行う上で、得意に感じながら実施できることと、不得意意識やストレスを感じやすいタスクが表示されています。
得意タスクは、本人は無意識のうちに力を優先して行うため、得意意識が低いこともあります。得意であるという認識を深めて、さらに強化していくと良いでしょう。
不得意タスクは、本人が知らず知らずに避けていたり、不得意を認識していれば克服していることもあります。ストレスがかかりやすいタスクと捉えてください。
また、不得意は克服していくというアプローチの他に、得意な人に任せたりチームを組んで行うというアプローチもあります。
ワークスタイル
仕事を行う際の、4つのスタイルの傾向や適性が表示されています。
スライドバーのマーク(▼)の位置が、それぞれのワークスタイルのバランスを表します。
結果の導き方
結果(成果)を出すプロセスとして
- 個人で能力を発揮しやすいか(個人発揮型)
- チームで能力を発揮しやすいか(チーム発揮型)
アプローチの起点
仕事をする上で
- 数量的で詳細なデータから物事を把握し進めていくか(計算精度重視)
- 全体的なイメージで物事を捉え進めていくか(フィーリング重視)
業務対応力
- 定期業務を着実にこなす方が適しているか(ルーチン処理)
- 変動する業務内容に臨機応変に対応する方が適しているか(変化対応)
キャリアの方向性
- 構成された組織に属し、明確な役割が課された中で安定している働き方が適しているか(組織貢献型)
- 自由度が高く、チャレンジする機会の多い働き方が適しているか(ベンチャー精神型)
ラーニングスタイル
上段5点が効き脳を活かした学習スタイルです。モチベーションを保ちつつ、効率的に新しい知識やスキルを身につけやすくなります。
下段2点は効き脳ではない象限を使う学習スタイルです。 効き脳ではない部分を使うため、本人にストレスがかかり学習意欲の低下に繋がりやすくなります。
新しいことにチャレンジしたり、継続的な学習を行う際は、上段5点を具体的な実践方法に取り入れてみてください。
今日からできる「3つのステップ」
《STEP1》苦手な象限を“意識化”し言いたいことをうまく伝える
- 「*」がついていない「指数」のもっとも低い象限を下表から選び、そのアクションを“意識して”コミュニケーションの中に取り入れましょう。
例. Aがもっとも低いので、下表のA象限のアクションを取り入れる。
×「とっても忙しいです」
〇「通常の3倍残業していて忙しいです」 - 次は、二番目に低い象限を選び、同様にその象限のアクションを取り入れましょう。
論理・理性脳の低い方が取り入れるべきアクション
- 理路整然と簡潔で明瞭に話す
- 数値、統計、データを参照する
- 正確な情報による検証
- 要点を深く突く
- 客観的な情報にしぼる
- など
冒険・創造脳の低い方が取り入れるべきアクション
- コンセプトや全体像を示す
- ビジュアルで比喩的な表現
- 豊富な話題
- 新奇性と面白さ
- 直観的な判断
- など
堅実・計画脳の低い方が取り入れるべきアクション
- 確立された手順やプロセス
- 書面で示された具体的な行動
- 前例があるという保証
- 一貫性、信頼性のある言動
- 予定に沿ったアポイント
- など
感覚・友好脳の低い方が取り入れるべきアクション
- フィーリングを大切にする
- 周囲との平等な配慮
- 好感を与える態度
- 他者への積極的な関与
- ニーズへの配慮と感情移入
- など
上図の例のように、あなたがCの単独(一重)優勢でAの低いタイプだとします。
この場合、何も意識をせずにコミュニケーションをとると、「フィーリングを大切にする」などCタイプの特徴は無意識のうちに表現されますが、苦手なAタイプの特徴はなかなか現れません。
つまり、「理路整然とした明瞭な話」や「数字を交えた客観的な情報」などが欠落してしまうのです。
あなたの周りが、同じCタイプの人ばかりであればそれでもコミュニケーションは図れますが、そうした環境は多くありません。あなたと異なるタイプの人たちは、“違和感を感じながら”あなたの話を聞いているのです。
それでも時間をかけて、その違和感を解消できる関係・環境にあればよいのですが、大切なプレゼンや交渉、面接の場などでは、これは致命的な失敗につながりかねません。また、人心掌握が不可欠なマネジメントにおいても同様です。
それを防ぎ、バランスよくコミュニケーションをとるためにまずあなたがすべきことは、自分の苦手な部分を“意識”して取り入れることです。つまり、脳が反応しにくい領域を、“意識”することでカバーするのです。
《STEPS2》“許容範囲”を広げ、ウマの合わない相手からのストレスを減らす
- 「*」がついている「指数」のもっとも高い象限を下表から選び、相手のアクションを“意識して”許容しましょう。
例. Cがもっとも高いので、相手が下表のC象限のアクションで接してきた場合も、それを“意識して”許容しましょう。 - 次は、二番目に高い象限を選び、同様にその領域のアクションを許容しましょう。
論理・理性脳の高い方が許容すべきアクション
- 目的や着地点があいまいなおしゃべり
- 個人的なフィーリングの重視
- 効率を優先しない時間の使い方
- 感情的な行動
- 主観的で論理性の低い行動
- など
冒険・創造脳の高い方が許容すべきアクション
- 新たな活動への抵抗
- 繰り返しの言葉
- ユーモアに乏しい・ユーモアへの反応の低さ
- 安全策や心配、定石通り
- 細かいプロセスや手順
- など
堅実・計画脳の高い方が許容すべきアクション
- 飛躍したアイディア
- 実現性や可能性を考慮しない思いつき
- 話題に一貫性が見えない話
- 明確な議題がない会話
- 展開の早い話
- など
感覚・友好脳の高い方が許容すべきアクション
- 目を合わさずに話をする
- 結論から入る単刀直入なやりとり
- 理屈や論理が先行する
- 個人的な共感が少ない
- 褒め言葉が少ない
- など
あなたが無意識のままコミュニケーションを図ると、相手によってはあなたに違和感を感じている(前ページ参照)のと同様に、あなたも相手に違和感を感じながら話を聞いていることも少なくないでしょう。
上図の例のように、あなたがCの単独(一重)優勢でAの低いタイプだとします。
この場合、Aタイプの相手が、その特徴である「理路整然とした明瞭な話」や「数字を交えた客観的な情報」を前面に押し出して話をされると、あなたは違和感を感じることになります。
相手があなたに配慮して話をしてくれればよいのですが、必ずしもそうした関係にあるとは限りません。
違和感を感じ続けることは、ストレスを溜めることにもつながります。それを防ぎ、気持ちよく仕事を進めるためにあなたができることは、自分自身の“許容範囲を広げる”ことです。
つまり、相手は悪意があってそうした行動をとっているのではなく、無意識のうちに脳がとっている反応であることを、あなたが意識的に認めてあげるのです。
《STEP3》相手のタイプに合わせて、コミュニケーション・スタイルを変える
効き脳の違いにより、受け取りやすいコミュニケーションやアクションは違います。
「相手のタイプに合わせて、コミュニケーション・スタイルを変える」、つまり、同じことを伝える場合でも、相手の効き脳によって伝え方を変えることが大切です。
下表は、効き脳別の「OKアクション/NGアクション」の一例です。相手のタイプに合わせたコミュニケーションの基本ですから、是非、これをマスターしてください。
また、この基本となる「OKアクション/NGアクション」を、職場や業務、対象に応じて “落とし込ん” だものが、次ページ以降の「マップ」です。
【効き脳マップ009】より抜粋
A 論理・理性脳 | 優先事項:事実・証拠・数量化・統計・効率性 | |
---|---|---|
OKアクション |
|
|
NGアクション |
|
D 冒険・創造脳 | 優先事項:全体像・新奇性・たとえ話・相乗効果・質問 | |
---|---|---|
OKアクション |
|
|
NGアクション |
|
B 堅実・計画脳 | 優先事項:具体例・実直・規則・順序・安全策・準備 | |
---|---|---|
OKアクション |
|
|
NGアクション |
|
C 感覚・友好脳 | 優先事項:支援・対話・共感・精神論・フレンドリーシップ | |
---|---|---|
OKアクション |
|
|
NGアクション |
|
部下とのコミュニケーション対処法
あなたのストレスを減らし、部下に気持ちよく動いてもらうための「ワンポイント・アドバイス」です。
【効き脳マップ002】より抜粋
論理・理性脳の部下への対処法/留意点
Aタイプの部下は、「理由を納得しないと動かない」「他人の批判や悪口を言う」「打算的、損得勘定で行動を決める」「無表情で心が読めない」ところがあります。
- 依頼・指示する際は、何事も理由や根拠を説明しましょう。
- 理論、分析データ、統計データなど、納得されやすくする材料を取り入れましょう。
- 現実をもとに今後の予測や仮説を立て、理由として説明できるようにしましょう。
- 目標を掲げる際は数値化し、達成レベルを明確に示しましょう。
- あいまいな話はやめ、理路整然とした話を心がけましょう。個人的フィーリングを押しつけるのはやめましょう。
- データ分析、情報整理、リサーチなどの業務や、一人で進められる仕事を任せましょう。
- 結論を先に伝え、指示は効率的に伝えましょう。
冒険・創造脳の部下への対処法/留意点
Dタイプの部下は、「自由奔放で、扱いにくい」「上下関係をわきまえない」「規則を守らず、ルーズ」「注意するとやる気をなくす」ところがあります。
- 目的を明確にして、権限委譲しましょう。
- 新奇性を求めたり、全体を俯瞰するような挑発的な目標を与えましょう。
- 結果責任を示して、進捗を細かく管理するのはやめましょう。進捗を確認したいときはオープンクエスチョンで質問し部下に話させましょう。
- 適度に褒めて、モチベーションを維持させましょう。
- 細かくて緻密な話はやめましょう。ビジュアルで比喩的な表現をしましょう。
- ホワイトボードなどを使用して、互いの考えを出し合いましょう。
堅実・計画脳の部下への対処法/留意点
Bタイプの部下は、「細かすぎて、全体を俯瞰しない」「現状満足でチャレンジしない」「指示・命令したこと以外はやらない」「融通がきかない」ところがあります。
- 組織の中での役割・位置づけを明確にしてあげましょう。
- 確立されている社内ルールや手順に則って、指示を業務命令として伝えましょう。
- 形式、様式、手続き方法、要件を5W2Hで伝えましょう。
- 業務のプロセスを明確にし「〇月〇日〇時までに」と期日、時間まで伝えましょう。
- 約束、時間は守り、遅れる場合は事前に連絡を入れましょう。
- 頻繁な例外処理は避けましょう。
- 話を急いだり、急な展開・変更は避け、前置きなく突拍子もない話はやめましょう。
感覚・友好脳の部下への対処法/留意点
Cタイプの部下は、「感情で訴えてくる」「一度関係がこじれると対応に困る」「一生懸命さを前面に出してアピールする」「なあなあになりがちで、仕事が遅い」ところがあります。
- チームで仕事をさせ、サポート的な役割を与えましょう。
- 一所懸命な仕事ぶりに感謝を伝えましょう。
- 顔を見ながら話をしましょう。
- 話しかけるときは、まず「名前」を呼びかけましょう。
- 「力になって欲しい」と情に訴えましょう。
- 相談に乗るように話を最後まで聞いてあげましょう(仕事以外の話も含めて)。
- 単刀直入で味気のない、理屈ばかりの話は避けましょう。エピソードや感想などを盛り込みましょう。
- 話を最後まで聞いた後で、要点を確認してあげましょう。
上司とのコミュニケーション留意点
あなたのストレスを減らし、上司と上手に付き合い、気持ちよく動いてもらうための「ワンポイント・アドバイス」です。
【効き脳マップ003】より抜粋
論理・理性脳の上司への対処法/留意点
Aタイプの上司は、「筋道や根拠がないと納得しない」「なぜ?理由は?としつこい」「ドライでクール」「人の気持ちを尊重しない」ところがあります。
- 質問には結論から答えましょう。
- あいまい、漠然とした話し方はやめて、理路整然と話をしましょう。
- 事実を正確、かつ簡潔に伝えましょう。
- 理論、分析データ、続計データなど、納得されやすくする材料を取り入れましょう。
- 目標を説明するときは、あいまいな表現はやめ、「数値化」して説明しましょう。
- 感情的な話し方をしたり、個人的な話題を仕事に持ち込むのはやめましょう。
冒険・創造脳の上司への対処法/留意点
Dタイプの上司は、「自由奔放で、ルールを守らない」「これまでにないもの、新しいものを好む」「プランは面白いが、実現できそうもない指示を出す」「意思決定が早い、急に決定する」ところがあります。
- 具体的な指示の内容よりも、上司の方向性を理解しましょう。プロセスの細かい違いより着地点の認識を合わせましょう。
- 新奇性や面白さを共有しましょう。
- 規則や前例にとらわれず、将来の展望に目を向け、斬新な提案をしてみましょう。
- 細かくて緻密な話は最低限にしましょう。
- 繰り返しの同じ話は控えましょう。確認は、たとえ話などを用いてみましょう。
- 上司の山勘や推論を補強する裏づけや理由付けを用意してあげましょう。
- 上司から多くを要求されたり、無理な追加の指示には、できない理由の前に、優先順位とスケジュールを再確認しましょう。
堅実・計画脳の上司への対処法/留意点
Bタイプの上司は、「指示が細かい」「やたらと管理したがる」「部下を組織の歯車・駒とみる」「トップの指示により方針が一変する」ところがあります。
- まず、現状を肯定する姿勢をみせましょう。
- 社内ルールや手順に則って行動し、例外処理を安易に行うのはやめましょう。
- 事前に、形式、様式、手続き方法などを伝えましょう。
- 報告は、5W2Hをもらさず伝えましょう。
- 「〇月〇日〇時までに」という期日、時間を確認し厳守し、遅れるときは事前に必ず連絡しましょう。
- 一貫性のない話や前置きなく突拍子もない話はやめましょう。
- 「事なかれ主義」だと割り切り、必要以上の提案や意見は控えましょう。
- 提案は、手順、方法を具体的に書面にし、リスクをつぶす方法も具体的に伝え、安心させるように準備しましょう。
感覚・友好脳の上司への対処法/留意点
Cタイプの上司は、「好き嫌いで人を判断する」「一度嫌われてしまうと対応に困る」「要領が悪い」「意思決定が遅い」ところがあります。
- 一所懸命さや上司への好意的な態度を見せましょう。
- 飲み会やイベントには進んで参加し、親しくなる機会を増やしましょう。
- 雑談や余談を軽く扱わない姿勢を示しましょう。プライベートな話も含め最後まで聞き、共感、感想を伝えましょう。
- 単刀直入で味気のない、理屈ばかりの話は避けましょう。話には、具体的なエピソードを盛り込むと良いでしょう
- 言葉以外のコミュニケーション(表情、声のトーンなど)を積極的に使いましょう。
- 困ったときには情に訴えかけましょう。
- 一般論や統計ではなく、あなたの気持ちを伝えましょう。
ショップスタッフとのコミュニケーション対処法
携帯電話ショップ店長のストレスを減らし、スタッフに気持ちよく働いてもらうための「ワンポイント・アドバイス」です。
【効き脳マップ103】より抜粋
論理・理性脳のスタッフへの対処法/留意点
優先事項=事実・証拠・数量化・統計・効率性
Aタイプのスタッフは、「理由を納得しないと動かない」「他人の批判や悪口を言う」「打算的、損得勘定で行動を決める」「無表情で心が読めない」ところがあります。
ですから、
- 朝礼時には、要点を的確に伝え、短時間で行いましょう。
- 新商品、新サービスのリリース時には、 その商品・サービスの具体的なメリット、デメリットをあげ、効率的に説明しましょう。
- 店づくり(フロア装飾、展示コーナー設置)においては、季節ごとのイメージ展示よりも、商品説明展示を中心に任せましょう。
- カウンター接客時には、相手(お客さま)を見ながら笑顔(口角を上げる)を意識させ、相手(お客さま)の話を最後まで聞くことにも注意させましょう。
冒険・創造脳のスタッフへの対処法/留意点
優先事項=質問・たとえ話・相乗効果・新規性・全体像
Dタイプのスタッフは、「自由奔放で、扱いにくい」「上下関係をわきまえない」「規則を守らず、ルーズ」「注意するとやる気をなくす」 ところがあります。
ですから、
- 朝礼時の周知事項や伝達事項については、重要ポイントをキチンと把握しているかどうか、 確認をしましょう。
- 新商品、新サービスのリリース時には、 その商品・サービスの具体的な活用方法をプランニングさせる業務を担当させましょう。
- 店づくり(フロア装飾、展示コーナー設置)においては、店舗全体のコーディネートを任せましょう。
- カウンター接客時には、丁寧な説明を心がけ、飛躍した話にならないよう指導し、自身の説明とお客さまの理解に飛躍がないかキチンと確認するよう指導をしましょう。
堅実・計画脳のスタッフへの対処法/留意点
優先事項=具体例・実直・規則・順序・安全策・準備
Bタイプのスタッフは、「細かすぎて、全体を俯瞰しない」「現状満足でチャレンジしない」「指示・命令したこと以外はやらない」「融通がきかない」ところがあります。
ですから、
- 朝礼時には、前日からの引継ぎ事項や当日の予定を明確にしましょう。
- 新商品、新サービスのリリース時には、事前に機種、スペック、値段などの商品サービス情報を流し、事前に学習できる機会をつくりましょう。
- 店づくり(フロア装飾、展示コーナー設置)においては、最終的な展示内容のチェック(言葉の言い回し、誤字・脱字、売場との不整合等)とあわせて、その後のメンテナンスを中心に任せましょう。
- 勤務シフトは2週間以上前に確定させましょう。
感覚・友好脳のスタッフへの対処法/留意点
優先事項=支援・対話・共感・精神論・フレンドリーシップ
Cタイプのスタッフは、「感情で訴えてくる」「一度関係がこじれると対応に困る」「一所懸命さを前面に出してアピールする」「なあなあになりがちで仕事が遅い」ところがあります。
- よい働きをしたスタッフには、朝礼や終礼時に褒めてあげましょう。
- 新商品、新サービスのリリース時には、その商品・サービスを実際に体験させ、そのメリットをカラダでつかめるようにしましょう。
- 店づくり(フロア装飾、展示コーナー設置)においては、商品説明展示よりも、イメージ展示を中心に任せましょう。
- カウンター接客時には、相手の話を聞くだけではなく、お客さまに必ず案内すべきことを端的に伝えるよう指導しましょう。
- 業務外の「オフ会」の機会を持ちましょう。
監修:副島知種、山田純一朗
効き脳を組織力向上に活かす
異質なメンバーの中で、チームと共に成長する
皆さんのチームは、どのような効き脳を持ったメンバーで構成されていますか?
同じタイプの効き脳を持ったメンバーが集まっているのか、それとも異なった効き脳を持ったメンバーが集まっているのか。 同質なメンバーが集まっているチームと異質なメンバーが集まっているチームでは、その生産性は大きく変わります。
同質なメンバーの集まりと異質のメンバーの集まりを単純に比較した場合、一般的に生産性が高いのは前者によるチームです。
これは、コミュニケーションの難易度が低い同じタイプ同士は、お互いの考えていることが語らずとも分かるわけですから、いわゆる “ミス・コミュニケーション”も少なく、効率的に業務を進めることが可能です。
ー方、異質なメンバーのチームでは、例えば対角線上同士の場合、お互いの優先順位や価値観、仕事を進める際のポイントが異なるために、相手を否定したり、距離を置いてしまうため、なかなか効率的に仕事を進めることができないからです。
では、どのような場合でも、同質なメンバーの集まりが異質なメンバーの集まりよりも生産性が高いのでしょうか。
すでにお分かりのように、異質なメンバーであっても、それが「お互いの効き脳の特徴を理解し、お互いが補完関係にあることを理解した」異質なメンバーの集まりであれば、同質なメンバーの集まりよりもチームの生産性は高くなるのです。
私たちは、ついつい、コミュニケーションの取りやすい同質なメンバーの集まりにしてしまいがちです(採用や人材配置、チームビルディングの際)。確かに、その方が居心地のよい環境であることに違いはありませんが、必ずしもチームのメンバーが各々の個性や役割を最大限に発揮し、チームの生産性を最大化している状態ではないのです。
ただ単に効率を追求するのではなく、個々を活かした創造的なチームづくりを目指すのであれば、むしろ、異質なメンバーが集まり、「お互いの効き脳の特徴を理解し、お互いが補完関係にあることを理解する」ことに注力すべきなのです。
コミュニケーションの取りづらい異質なメンバーの中にあえて身をおき、緊張感の中で自分と組織を成長させましょう。
参考:『ハーマンモデル-個人と組織の価値創造力開発』(東洋経済新報社発行)
「メンバープロフィール・シート」を活用する
前ページでお伝えしたように、個々のメンバーの個性や役割を活かした創造的なチームづくりを行うためには、「お互いの効き脳の特徴を理解し、お互いが補完関係にあることを理解」しなければなりません。
そのためには、まず、お互いの効き脳のタイプを知る必要がありますが、その際、手軽に活用できるのが、「メンバープロフィール・シート」です。
これは、メンバーの効き脳のタイプ(レーダーチャート)を一覧にした非常にシンプルなシートで、お互いの効き脳のタイプを知る際のもっとも効果的なツールです。
典型的な使用法は、これを常に目につく場所に置く、貼るなどです。また、これに基づいて会議の席順を決め (次ページ参照)、会議の活性化に役立てて下さい。
このシートは、「効き脳診断BRAIN 管理画面」より出力できます。詳しくは、貴社の管理者の方にお問い合わせください。
なお、1枚のシートに最大12名が表示され、13名以上は2枚目以降に分割されます。
「簡易組織診断」を使い、チームの傾向を知る
「効き脳診断」では、チームの効き脳の傾向を簡単に知るためのツールとして「簡易組織診断」の機能があります。これは、チームを構成するメンバーの効き脳の平均を算出したもので、チームとしての効き脳のタイプが分かります。また、「ホールブレイン度」「クリエイティブ度」の2つの視点からチームの特徴が分かります。
《ホールブレイン度》5段階評価
メンバーの各指数(A、B、C、D)の平均値をベースにみています。★の数が多いほどホールブレイン/四重優勢に近いため、メンバー相互で補完し合い、豊かな創造性を発揮できる可能性が高くなります。
《クリエイティブ度》5段階評価
各指数(A、B、C、D)のメンバーのバラツキをみています。★の数が多いほど、多様な視点を持つメンバーによって構成されている傾向が高いといえます。
このシートは、「効き脳診断BRAIN 管理画面」より出力できます。詳しくは、貴社の管理者の方にお問い合わせください。
なお、一度に分析できるのは最大60名迄です。61名以上での出力をご希望の場合はお問い合わせください。
効き脳で会議の席順を決める
皆さんのチームでは、会議の席順をどのようにして決められていますか?
「適当に」「何とはなしに」というのがほとんどで、会議の生産性や創造性を考慮して席順を決めている職場はごく少数派のようです。
実は、「効き脳」に基づいて会議の席順を決めると、出席者同士の コミュニケーションが促進され、さらに多面的な視点から意見が引き出されやすくなるため、同じメンバーでも会議が活性化されることが明らかになっています。
では、具体的にはどのように座ればよいのか。答えは簡単で、左脳モードの人から順に、時計と反対周りに座るのです。
なぜ、そうすることで会議が活性化されるのでしょうか。まず、座る場所でメンバーがお互いのタイプを一目で把握できるため、「OK アクション/ NG アクション」を意識したコミュニケーションがとりやすくなります。
さらに、「二重優勢」「三重優勢」の、左脳/右脳モードの差が少ない“バランス型”の人が、左脳あるいは右脳モードに偏りがちな議論に対して中立的な立場を保ちながらファシリテーター役を担うことで、合意形成に向けた議論が展開されるというわけです。
非常に簡単な手法ですので、是非ともお試し下さい。
※「メンバープロフィール・シート」について
左脳モードから順に座る際には、「メンバープロフィール・シート」をご利用ください(上図・左側)。
選択したメンバーを「左脳モード→右脳モード」順に並べて、手軽に出力することができます。
なお、このシートは、「効き脳診断BRAIN 管理画面」より出力できます。詳しくは、貴社の管理者の方にお問い合わせください。
参考:ASTD事例集(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
クリエイティブ・プロセスを活用する
ハーマンモデルでは、高い業績・成果をあげている組織やチーム(=ハイパフォーマンス・チーム)の特徴の一つとして、「クリエイティブ・プロセスを活用する能力」があげられています。
前述の「効き脳に基づいた席順で会議を活性化させる」 際にも、これを意識して取り入れることで、いっそうチームの生産性は高まります。
組織やチームでの共同作業の中でお互いが連携し、創造的な課題解決を図るには、まず、イノベーション力に長け、新しいアイディアを出すDタイプの存在が重要になります。しかし、彼らが生み出すアイディアはなかなか理解し難いところがありますから、理論派のAタイプが、それを定義づけたり、実現可能かどうかを判断する役割を担います。
しかし、Aタイプによる定義づけは専門的・論理的過ぎる傾向にあるため、今度はそれを、組織全体で共有・共鳴できる形に変換しチームメンバーの気持ちを一つにまとめあげるCタイプの存在が重要になってくるのです。その上でこれをDタイプに戻して、全体のコンセプトが当初のアイディアとずれていないかを確認し、最終的には、品質・納期を確実に実行する Bタイプに渡すのです。
こうした、D→A→C→D→Bのプロセスによる創造的な課題解決は、ハーマンモデル理諭では「クリエイティブ・プロセス」と呼ばれています。組織やチームで課題を解決していくためには、全員(全タイプ)の存在が不可欠であることをしっかりと認識し、コミュニケーションを取りづらい相手でも、このプロセスを意識しながら積極的に働きかけていくことが重要になってくるのです。
もちろん、はじめからこのプロセスを完璧に回す必要はありません(実際、この順番通りに進むとも限りません)。まずは全員で“意識”しながら、気軽に試してみて下さい。きっと新しい発見があるはずです。
出典:『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
「効き脳プロファイリング」で
チーム営業力を強化する
効き脳プロファイリング
「効き脳診断BRAIN」では、モバイルサイトもご用意しています。このサイトでは、自己診断の実施(受検)・結果表示のほか、相手の優勢脳1位・2位を手軽に推測するメニュー「効き脳プロファイリング」があります。
刑事ドラマなどで耳にするプロファイリングは、捜査時間の短縮、早期解決のために、犯罪の情報から犯人像を組み立てる推理のようなものです。
ビジネスシーンの営業活動で考えれば、できるだけ効率的に成約を勝ち取るために、商談相手の特徴をできるだけ正確に推測し、その特徴に応じてアプローチを工夫する必要があります。チーム営業力のアップに、「効き脳プロファイリング」を活用ください。
「効き脳診断BRAIN」モバイルサイト
https://fortina.jp/brain/m/スマートフォンまたは携帯電話にてアクセス
ログイン ID:自己診断実施時のID
パスワード:自己診断実施時のパスワード
※端末の「パスワードの自動入力」設定を行うと、次回以降パスワードを入力する必要がなくなります。
※「ブックマーク(お気に入り)への登録」や、「ホーム画面にアイコンの追加」も忘れずに行ってください。
チームでのご利用手順
- 自己診断の実施・確認
- 診断を実施した端末に関わらず、診断結果はPCでもモバイル端末でも確認頂けます。
PC用URL:https://fortina.jp/brain/ - ご自分の結果が分かったら、16ページ《STEP1》を確認し、「苦手な象限を意識化し言いたいことをうまく伝え」ましょう。
- 診断を実施した端末に関わらず、診断結果はPCでもモバイル端末でも確認頂けます。
- チームメンバーそれぞれの自己診断結果を「効きトモ」に取り込む
- チームメンバーの診断結果(レーダーチャート)と併記されているQRコードを、あなたのスマートフォン・携帯電話で読み込みます。
ご契約内容によっては、「効き脳診断BRAIN」モバイルサイトをご利用いただけない場合があります。
上記のURLにログインできない方は、貴社の管理責任者の方にお問い合せ下さい。
-
- モバイルサイトヘログインします(ご自分のID&パスワード=あなたが自己診断を実施したID&パスワードを入力)。
- チームメンバーの方の「ニックネーム」を入力し、「効きトモ」として登録します。
- 「効きトモリスト」からその人の効き脳のタイプと、あなたとの「相性診断」を確認します。
さらに、17ページ《STEP2》で「許容範囲を広げ、ウマの合わない相手からのストレスを減ら」し、18ページ《STEP3》で「相手のタイプに合わせて、コミュニケーション・スタイルを変え」ましょう。
- 商談相手をプロファイリングする
- 商談相手の言動を思い出しながら「効き脳プロファイリング」13問に回答します。回答に迷う設問は「まだ分からない」を選択しておき、後日分かった時点で回答し、結果の精度を高めます。
- 相手の優勢脳1位・2位が推測できたら、自分との「相性診断」、営業の5つのシーンごとに表示される「OKアクション/NGアクション」を確認し、営業活動に取り入れます。
チーム営業力アップに向けて
「効き脳プロファイリング」はあくまでもツールであり、また、プロファイリングには限界もあります。以下をご参考に、チーム独自での活用・定着をお進めください。
- 各メンバーは、プロファイリングの精度を高めるために、日頃から相手の言動に注意を払い「まだ分からない」の選択を減らす。
- 各メンバーは、「メモ」欄に相手にアプローチした際の気づき(良かった点・悪かった点等)を記入し、次回のアプローチに活かす。
- チームミーティングの際は、プロファイリングの結果を持参し、商談相手へのアプローチをチームで考える。
「他メンバーからのアドバイスでプロファイリングの精度を高める」「商談相手が自分と対角関係の場合、商談相手と同じタイプの他メンバーからアドバイスを受ける」など。 - チームメンバーが異動する際は、後任者は前任者から商談相手のプロファイリング結果を引き継ぐ。
効き脳をキャリア開発に活かす
効き脳は“なりたい自分”への出発点
すでにご紹介したように、ハーマンモデル理論/効き脳を活用していく上での重要なポイントが2つあります。
- 診断結果(思考特性)は「優劣・正誤・良し悪し」の評価ではないこと
- 診断結果(思考特性)は一生変わらないものではない」ということ
こうした診断ツールでは、結果をベースにして将来の自分を規定してしまいがちですが、ハーマンモデル理論では「先天3割、後天7割」と言われ、環境やトレーニングによって効き脳も変化します。
つまり、診断結果を起点にその延長線上に将来の自分を置くのではなく、あくまでも、まず将来の自分(=“なりたい自分”)を明確にし、それに向けた効果的なアプローチをとるために診断結果(=“いまの自分”)を活用すべきなのです。
“なりたい自分”と“いまの自分”のレーダーチャートにギャップが見られるのであれば、それを埋めるための努力をすればよいのです(次ページを参照)。
職種別レーダーチャートの一例
下記レーダーチャートは、職種別の典型的な一例であり、この形が最適という意味ではありません。
現在または将来、どのような自分でありたいか、どのような仕事や能力を身につけるべきかを考える際の参考としてください。
不得意領域へのアプローチ ~ 開発を助ける活動例 ~
論理・理性脳
【職場編】
- 技術的な問題を分析し解決する
- 技術者と時間を過ごし、技術的な要素を理解する
- 自分の給料が1分(秒)いくらか常に意識する
- 部署の予算計画を表計算ソフトで作成する
- 会社の決算報告書を読んで理解する
- コンピュータプログラムを学ぶ
- 来期の業務目標を明確に定義する
- 決断を論理的に説明する
- 統計分析を行う
【プライベート編】
- 好きな映画について、あえて批判的に評論する
- 周りの皆とあえて反対の意見を述べる
- 今日の出来事から、明日起こることを予想する
- 普段使っている機械の動く仕組みを理解する
- 最近衝動的に決定したことを見直し、合理的、理性的な面を明確にする
- コンピュータプログラムの使用法を学ぶ
- 将来の夢を数値的な計画書として作成する
冒険・創造脳
【職場編】
- 毎日1つは「バカげた」アイデアを考える
- 会社または自分の10年後を想像する
- 自分の仕事、自分自身のロゴを作成する
- あなたの会社の新製品、新サービスを考える
- 同僚へのメモにイラストを加える
- オフィスまたは自分の部屋の模様替えを行う
- 重要な問題のブレーンストーミングを行う
- 直観に基づいて決断する
【プライベート編】
- 新しい料理を創作する
- 粘土細工を創り、その意味を発見する
- 目が覚めてから起床するまで、15分のうとうとした時間をとる
- 行き先を決めずにドライブする
- 物事をスピーディに行う
- 枚数や費用を気にせず数百枚の写真を撮る
- クラブやディスコで自由に踊る
- 現実離れしたイメージを楽しむ
- 西暦2050年の自分を想像する
堅実・計画脳
【職場編】
- 時間の記録と合わせて日記をつける
- 机の上やPCのデータを整理し直す
- その日のToDoリストを作り、済んだ項目を消去する
- 約束の時間よりも早く訪問先に到着する
- 極めて詳細な職務経歴書を作る
- 1つのプロジェクトを詳細に計画し、それに従って実行する
- 保守的かつリスクを最小限に抑えた意思決定を行う
【プライベート編】
- 説明書にしたがってプラモデルを組み立てる
- 自分の予算計画を立てる
- 自分の財産リストを作成する
- 音楽/動画/写真ファイルをカテゴリー別に整理する
- 毎日同じ時刻にストレッチや体操を行う
- 時間を詳細に定めた一日の計画を立て、決めた時間を厳守する
感覚・友好脳
【職場編】
- 人の気持ちを感じ取り、理解するための時間を毎日15分間確保する
- 言葉以外のコミュニケーションやボディランゲージに注意し、より友好的に振舞う
- 仕事中のBGMとして音楽やラジオを流す
- 会社でのイベントや催物を実行するよう周囲に働きかける
- 同僚のプロジェクトのサポートを申し出る
- チームの合意に基づいて決断を行う
【プライベート編】
- 子供と子供の遊びたいように遊ぶ
- 子供に教えられたことを見つけ、感謝を伝える
- 好きな音楽を好きなときに聞く
- BGMに合わせて体をリラックスさせる
- 朝・昼・夜と10分ずつバラの香りをかぐなど、フィーリングを感じる時間をとる
- 草花など自然の物に興味を抱く
- 羞恥心や罪悪感を覚えずに涙を浮かべる
- 目を閉じ心を静め、無心になって瞑想する
『ハーマンモデル解説書-ABCD’s of Whole – Brain Technology』(ハーマン・インターナショナル・ジャパン発行)
『ハーマンモデル-個人と組織の価値創造力開発』(東洋経済新報社発行)をもとにフォルティナ作成
このガイドブックを映像化した「解説ビデオ」をご用意しています。
https://www.fortina.co.jp/video/効き脳の理解度を確認してみましょう!
解答後、結果はすぐに表示されます
-
確認テスト1
次の言動は、A・B・C・Dのどのタイプの特徴でしょうか?- Q.予定を立ててその通りに行動する
- Q.自らコミュニケーションを開始する
- Q.「端的に表現すると」
ほか、全44問
-
確認テスト2
Bタイプの人とのコミュニケーションを良好にするために、次の4つの中からもっとも適しているアクションを一つだけ選んでください。- ① 制約を設けず自由にディスカッションする
- ② 順序立てて話をすすめる
- ③ 実現性に乏しいことでも根気よく説得する
- ④ お互いのフィーリングや感覚を大事にする
ほか、全30問
効き脳診断/WEB学習のご案内
https://www.fortina.co.jp/e-learning.html